ネタバレあるかもしれませんのでご注意ください。
限界集落温泉(ギリギリおんせん) / 鈴木みそ
月刊コミックビーム(エンターブレイン)に連載中の漫画です。1995年11月11日創刊。毎月12日発売。主な作品「砂ぼうず」「放浪息子」「英國戀物語エマ」「いばらの王」など。
キテますっ!
限界集落温泉(ギリギリおんせん) 第1巻 2010年02月25日発売
(月刊コミックビーム2009年7月号~2010年2月号掲載)
限界集落温泉(ギリギリおんせん) 第2巻 2010年10月25日発売
(月刊コミックビーム2010年3月号~2010年10月号掲載)
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今回はネット社会がクローズアップされてました。 一気に盛り上がる楽しさを表現していたかと思えば、間をおけば一気に冷めてしまう…そんな移り気なところも。 ネットってある一部の人たちの集合体なんでしょうかね。
「東京忙しすぎ!」 ←
都会と田舎の時間差とも相まって興味深かったです。
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<ストーリー概略>
山里館。
伊豆の消え行くひなびた温泉宿…
主人公「溝田とおる」(自称ペテン師/元ゲームデザイナー)の機転で、当面の資金を稼ぐことができ、宿の危機は救うことができました。
敵の新キャラ登場で仲間の結束が揺らいでしまう面々。 とうとう資金源の中心人物アユポン(ネットアイドル/コスプレイヤー)が去ってしまうのでした。 敵キャラ登場で、逆に燃えてくる主人公。
少しずつ明かさていくそれぞれの過去。
自殺未遂。 鬱。 ひきこもり。 不倫。 ゴミ屋敷。
そして、天然の美人刺客が登場!
美人に弱い男(オタク)さんたちw
どうなる温泉宿!?
このボランティアなお姉さま。
なんか押しつけがましくて不快でした。
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<作者あとがきより> 景気が前年を下回る、というのはなんでも20年も続いてしまっているとか。今の20歳の人は生まれてから一度も景気が良かったことがない、と誰かが書いてて、うわ、それはやっぱりもう不況じゃない。 ふつうだ。 と思ったのでした。 … 不況のときこそ新しいものが生まれるチャンスである。 だといいですね。(2010年9月)
世の中が不況なら、せめて心くらいは景気よくありたいものです。
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<印象に残った台詞>
「明日? そんな先のこと知るか 人は瞬間瞬間を生きているんだ 今この瞬間の…」
「ポテチは野菜 ヤキソバも半分野菜」
(愛して)
「ばあかは死ね死ね」
「死ね死ね死ね死ね」
(愛してくれないと)
「いなくなって気づくんだよ?」
「あーもっと大事にすればよかったぁーって?」
「泣いて後悔するよ?」
(死んじゃうよ?)
…
(また死ぬって大騒ぎ?)
(死ぬって言ったらみんな相手にしてくれるしね)
「うるさい…」
(そうしてまた友達の男と寝るのよね?)
(でもすぐ飽きちゃってごみみたいに捨てる)
「うるさい」
(ただ他人の持ってるものが欲しいだけのクズ女)
「ああああ! うるさい うるさい うるさい うるさいう るさい!」
(2年前に母親を亡くしてる龍之介)
子供の成長はほんとスゴイです。
「君たちって… 本当に使えるねぇ なにその情報処理能力」
(じつはおたくってすごくね?)
彼らが本当の自由を獲得したら、すごいことになるのかもしれません。 資源の乏しい日本ならでは。 ここら辺は周りも大きな影響を受けているようで、最近の韓国や中国の行動力には目を見張るモノがあります。
「田舎者扱いされたら ぶち切れんよ 伊豆雄さん 切れたらあぶなくて近寄れねぇ いつもサーファーと殴り合いになってさ」
「あのちょんまげ野郎 田舎だと思ってなめやがって」
頭もキレるけれど、いろいろと捻くれてもいるようです。
「そろそろこの旅館をやってみんがは どうだ」
…
「人に頭を下げてか?」
「ほうだ」
「はははは またおいでくださいってか?」
「ほうさ」
「はははは」
…ナイフが揺れる…
「考えとくよ」
もしバカにされているように感じるのなら、それはイズオ本人が田舎のことを馬鹿にしているからかもしれません。 そんなことを考えてしまうセリフでした。
「大事なのは 本当か嘘かじゃなくて 魅力がある話かどうかだよね?」
昔は嘘が嫌いでした。 たぶんそれは、ボク自信が、自分の気持ちに嘘をついていたからかなって、今は思います。 でも最近は、本当に大切なのって本当か嘘かじゃなくて、もちろん見分ける能力でもなくて。 それらを超越したところにあるのかなって。 たとえばさ、今が不景気だと感じるのは個人の自由です。 でも、たとえそれが事実だったとしても、それに縛られて気持ちが暗くなっていたとしたら、果たしてそれは自由と呼べるモノなのでしょうか? なんてね。
「大事なのは 共有できるストーリーなんだって」
…
「そうすれば 数年で借金返せるだろうって」
「数年で?」
「うん できる気がする」
「そうか この感じがストーリーなのかも」
…
「ふううう また口からでまかせをいいました 弘法大師さん すいません」
舞台裏は見なかったことにしてください。
「ああ… 星がこんなに明るいとは 知らなかったなあ」
たまにステキな自然描写もあったりします。
「日曜のこんな朝早くから野良仕事かー オレがかぱらってラーメンの具にしたキャベツも こうして作ってたんだよな」「ダメだ! 鳥は自由でいいなとかチンプなこと思うな! 鳥だって虫見つけて食っていくのに 精一杯かもしれねぇし 虫だってハッパ食うのにギリギリかも」
ここら辺は想像力の違いなんですかね。 そう言えば、フィンガー5の元メンバーが、キャベツ盗んで飢えをしのいでたって、テレビで流されてたっけなあ。 先日なんか、1個や2個どころか、一度に1200個も盗まれたって…。 今って戦後でしたっけ? なんだか悲しくなっちゃいました。
「人目も気にせず ずっとひきこもりをしてるってのは ある意味 根性が座ってるな 筋金入りのひきこもり… 蝿の王ってとこか」
蜂の女王さまならわかるんですが、蝿はそんななん?
「オレらはアリですか」
「しっかり女王のために働いてくれ」
「セ●ンでいいからハンバーガーを」
「セ●ンイレブンって安いからいいよねー」
「へ?安くはねぇだろ」
「どのスーパーよりも安いってみんな言うよ?」
…
「経済ってのは相対的なものなんですねぇ」
「田舎はけっしてユートピアじゃねぇな」
お金がないから都会に群がる… そんな世の中なんですかねぇ。
以上。
ここまで目を通してくださってありがとうございました。
オススメの作品です。 盗撮シーンさえなければ^^;
限界集落温泉(ギリギリおんせん)第1巻/鈴木みそ。
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