2011年3月6日日曜日

限界集落温泉(ギリギリおんせん)第1巻/鈴木みそ。

漫画(コミック)の感想です。
ネタバレあるかもしれませんのでご注意ください。

限界集落温泉(ギリギリおんせん) / 鈴木みそ
月刊コミックビーム(エンターブレイン)に連載中の漫画です。1995年11月11日創刊。毎月12日発売。主な作品「砂ぼうず」「放浪息子」「英國戀物語エマ」「いばらの王」など。

おもしろかった!

限界集落温泉 1巻 (BEAM COMIX)
鈴木みそ
エンターブレイン

限界集落温泉(ギリギリおんせん) 第1巻 2010年02月25日発売
(月刊コミックビーム2009年7月号~2010年2月号掲載)
限界集落温泉(ギリギリおんせん) 第2巻 2010年10月25日発売
(月刊コミックビーム2010年3月号~2010年10月号掲載)

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都会と田舎の対比から浮かび上がってくる現状。 20年以上続く日本の不景気。 いったい我々はどうしたら良いのでしょうか? この作品はそんな疑問を吹き飛ばし、新しい息吹を呼び込んでくれそうな作品でした。 このマンガが現実化したら面白い!

働くとは何か?
仕事とは何か?

会社に就職することが仕事だ…職業だ、そんなガチガチに固まってしまった頭を見事に打ち砕いてくれました。今って本当に就職難なの?(企業に就職するのは大変そうですけど)

そう言えば、不景気になると都会の人口が増加すると聞いたことがあります。 今、そんな感じですよね。 不安だから、みんな同じような行動を取ってしまう? 何かの幻想にとらわれた結果、都会に居座ってしまう人が多くなるのかもしれません。 ひとつのところに集中しすぎると、全体としてはうまく回らなくなってしまうような気がします。 まるで体の中にできたがんのように…。 気づき始めた人たちを中心に、徐々に変わっていくのだと思いますが。

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<ストーリー概略>

山里館。
伊豆の消え行くひなびた温泉宿…
借金のかたに取られることが決まっていた宿。

「しょーがないよ 不況が全部悪いんだ」 ←

あきらめてしまった父親(康成)とそれでもジタバタもがく息子(龍之介)。
(知識や経験って邪魔になる時もあるのかな)

そこへ流れてきた主人公「溝田とおる」(自称ペテン師/元ゲームデザイナー)。 そして同じように流れてきたアユ(ネットアイドル/コスプレイヤー)と…一癖も二癖もある(?)オタクたちw 彼らを巻き込みながら山里館復活を目指して物語は進んでいくのでした…。

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<作者あとがきより> 伊豆(作者の故郷)に訪れた限界集落という現実…。年末の派遣村のニュース画像をヒントに、どうせなら一癖あるために社会からはじかれた連中を集めてみたら…フィクションですけど、ベースはとてもリアルです。 現実の社会がそうであるように、このマンガも一歩先がわかりません。 願わくば彼らと限界集落に明るい未来を!(2010年2月)

社会からはじかれているのか、自らがはじいしまっているのかはわかりませんが…。 本来はとても能力がある人たちなんだと思います。 それを活かせないのは勿体無い! 彼らを有効活用できる場所をもっともっと作ってあげられたらステキな世の中になるんじゃないかなと思いました。

「限界集落」
65歳以上の年寄りが村の人口の半分を超えた集落
年寄りしかいない、行政も銭ださない
じじばばしかいねえ村、別名「寝たきり村」


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<印象に残った台詞>

「空腹は最高の男のソースだ」

「そんなにホームレスってひどいこと?」
「うん」

「屋根があって畳がしいてあるだけで天国なのに 温泉に布団まであるなんて!」

「どこに行ってもケータイ持って 逃げられる場所といえば圏外か便所だけで…」

「あうう 胃がキリキリと」
「大事な話になると いつもどっか痛くなるんだ」
「うわっ なにか耳が痛くて!」


「ありゃ「腐」だ」
「ふ?」
「つまり「ショタ」の可能性が高い」 ヾ(- -;)


「メール608通! ダメだ! こわくて見れない」w

「(地図の)写真の拡大もできないんだ… グーグル敗れたりって場所だなぁ」

「あ?無料施設?誰が作るの?」
「自治体が」
「またハコモノなんだ」

「分譲住宅 伊豆の太陽オレンジビレッジ」
「でも買った人はみんあ60過ぎてる日とばっかりで ぜんぜん交流がないから… 別名姥捨てビレッジ」
「高齢化や過疎化対策として有効って話だったのに むしろ高齢化を促進してしまった…」

「もう現実見るとつらすぎるから見ないの」
「都会の仕事でもダメなの?」
「ひどいね いやまったく 日本はどうなっちゃうんだろう」
「やっぱ公務員がいちばんだら?」

「(死ねよ)」
「誰?(つうか死ね)」
「この人は?(死ねばいいのに)
「地元の役場の方ね(バカ死ね)」」ヾ(- -;)タマッテンナー


「ピーカピカの光を出して テレビの前のよいこのみんなを くらくらさせちゃうぞぉー」

「逃げるのは… 簡単だよな…」
「逃げちゃダメだ」
「逃げちゃダメだ」
「言うと思ったわ!」
「とりあえず …食って考えよう」

「不可能のふの字は 腐と書くのかもしれねぇしな」

「かーっ 生きてて ありがとう!」


「アユポンの主食は ペ○ングー」ヾ(- -;)カロリーメイト トカ

「人って不思議だね 明らかにまずいって扱いのものが お姉ちゃんがおいしいって言ったら 迷ってる人があんなに… うまいまずいって そんなに揺れるものなんだ」

「えー?だって まずいものはまずいよ!」

「うむ 子供らしい いい答えだ」
(だから本当に子供に受けるゲームは難しくて 面白いんだよ)

「大人になるって きっと面白いことなんだね! もっともっと大人にならなきゃ」
(君はこの辺の誰より大人だけどな)

そうそう!子供ってスゴい♪と感じる時、たまにあるんですよね!

それとね。「成功」するのに最も必要なモノは、東京でも伊豆でも、魅力的なアイドルや誰も考えつかないような途方もないアイデアでもなくて、もちろん行政でも技術や経験、学力やノウハウでもお金でもなくて、「根拠のない自信」なのかなって。 無垢な子供の頃に誰しもが持っていたような…さ。 そして、「人との繋がり」…ね。 (ボソッ

以上。

ここまで目を通してくださってありがとうございました。
オススメの作品です。

限界集落温泉 2巻 (ビームコミックス)
鈴木 みそ
エンターブレイン

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